話した後に起こること

私はこれまでたくさんの人のお話を聞いてきました。

そして、自分自身も

たくさんの人に話を聞いてもらってきました。

その中で思うことがあります。

話したからといって、

すぐに問題が解決するわけではない。

これは事実です。

仕事の悩みを話したからといって、

翌日職場環境が変わるわけではありません。

人間関係の悩みを話したからといって、

相手が変わるわけでもありません。

将来への不安を話したからといって、

未来が見えるようになるわけでもありません。

だから時々、

「話しても意味がない気がする」

と思う人もいます。

私もそう思ったことがあります。

でも今は少し違う見方をしています。

話した後に起こる変化は、

問題の解決ではなく、

自分の変化なのかもしれないと思うのです。

例えば、

話す前は頭の中がごちゃごちゃしていた。

何が不安なのかも分からなかった。

考えても考えても同じ場所をぐるぐる回っていた。

そんな状態だったのに、

話し終わった後には、

「今の自分はこう感じていたんだな」

と少し整理されていることがあります。

状況は何も変わっていません。

でも、自分の見え方が変わっているのです。

私はこれを何度も経験してきました。

一人で考えている時は、

頭の中にたくさんの声があります。

不安な声。

焦る声。

責める声。

期待する声。

諦める声。

いろんな声が一度に話しているような状態です。

だから何が本当の気持ちなのか分からなくなります。

でも言葉にして外へ出すと、

少しずつ整理されていきます。

話しているうちに、

「あれ、私が本当に気にしていたのはそこだったのか」

と気づくことがあります。

不思議ですが、そんな瞬間があります。

相談支援の仕事をしていた時も同じでした。

最初は深刻な表情だった方が、

帰る頃には少し

表情が柔らかくなっていることがあります。

問題が解決したわけではありません。

それでも何かが変わっている。

私はその変化をたくさん見てきました。

もちろん、話せば必ず楽になるとは言いません。

すぐにスッキリするわけでもありません。

むしろ話したことで

気づきたくなかった気持ちに気づくこともあります。

でも、それも大切な変化なのだと思います。

本当の気持ちに気づくこと。

今の自分の状態を知ること。

それは前に進むための土台になります。

私は最近、

話すことは整理することなのだと

思うようになりました。

答えを出すためではなく、

自分を知るために話す。

そんな時間があってもいい。

そう思っています。

もし今、

頭の中がごちゃごちゃしているなら、

すぐに解決しようとしなくてもいいかもしれません。

まずは話してみる。

ノートに書いてみる。

声に出してみる。

そうやって自分の言葉を外に出してみる。

すると少しずつ、

自分でも気づかなかった気持ちが

見えてくることがあります。

話した後に起こる変化は、

とても小さいかもしれません。

でも私は、その小さな変化こそが

大切なのだと思っています。

人生を大きく変えるような出来事ではなくても、

少しだけ肩の力が抜ける。

少しだけ呼吸が深くなる。

少しだけ自分に優しくなれる。

そんな変化が積み重なっていくのだと思うのです。

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